パッドの話(2)

今回はウレタン材の発砲生産設備についての話をしよう。
原料の種類などは化学合成品なので星の数ほどある。
また、配合によっても多くの組み合わせが出来る。

設備面で見ると、高圧発砲機と低圧発砲機に分かれる。
以前、ちょっと書いたが発砲機とはA液B液を瞬間でぶつけて型の中に流し込む装置だ。

ぶつけるときの圧力によって低圧、高圧が決まる。
用いる部位(クッションとかバック)車種の方向性(スポーツとかセダン)により使い分ける。
低圧はおよそ20Kくらい、高圧は150Kくらいだ。

アンドレに「発砲機を発注するぞ!えらんどけ」と言われたが事前知識など無い。
商社に電話をし、まずはメーカーを知る。
カタログを貰い選定を開始・・・、なにもわからん!!!
うーん!!隣にいる先輩に聞いた。キングファイル3冊が出てきて教えてくれた。
最後に言われた!「お前、アンドレにいじくられてるよ。」「・・・・」
まあ、今回の開発車にあった発砲機を無事に発注した。

機械が入ってきていろいろ見て回ったが、面白いことに気がついた。
圧力を作る部分、どんな仕組み?で、見ると何か見覚えがある。
ディーゼルエンジン用の機械式噴射装置だ、これが12段階つながっている。
機械の納入仕様書を見ると’ボッ○ュ製噴射機構・・・’とあった。
うーん、おそるべし、一流メーカー!!!

パッド性能の調整として、A液B液の配合比でチューニングしていくが、それは噴射装置の圧力調整、そして2液がぶつかる配合口寸前のヘッド部に入っている’オリフィス’の径で調整する。
時間での調整はしない。均一に混ざらないからだ。
オリフィスはキャブレターのなかのジェットの様な物だ。
ただ、非常な高圧にさらされるため通常の材質ではない。
組長は調査分析をしてみた。
結果はわからない!!しかしながら非常に硬度が高かった。
メーカーに問い合わせたら「企業ノウハウなので教えられない」と言われた。

2004年7月25日