CADのお話
独立は出来たようだが当たり前の話、仕事を取ってこなければいけない。
いままでは、会社の技術部門にいたので、ある意味’口を空けて待ってる’といったスタンスで良かったが、今度は自分で探さなければいけないのだ。
仕事が入ってこなければ、独立そく倒産かーさんになる。
まあ、以前所属の会社のときの付き合い、又、一緒に始めた奴が営業職ということで、組長としてはある程度、恵まれた環境ではあった。
組長は’CAD屋でやっていこう’という思いがあり、数あるCADの中でいくつかのCAD操作の経験はあった。
その中で、どれかを選択しなければならない。全部は買えないのだ(あたりまえ)。
ここで、選択基準である。
・クライアントに依存しないこと
・3Dの出来ること
・図面の書けること
・NCデータが作れること
・フリーソフトではないこと
その他小さな要件も加味していくと、数ある選択肢も淘汰されてくる。
ちょっと高い(だいぶ高い?)が皆さんご存知のCA○IAに決めた。
さて、じゃあ見積じゃい・・・。
(実は、この時はまだ前の会社に所属中であった。CA○IAを注文してから退職をしたんだ。)
CA○IAはいろいろと使用する機能によってモジュールが用意されている。
’全て’っていうのもあるが、そんな物買える訳が無い。(使いこなせないし・・・・・)
基○+拡◇サーフェス+ドラ○ティング+N△3と言う構成だ。
これにワークステーション+テープドライブ+プロッター+テレビというハードウェアになった。
しめて・・・・万円である。(当時、アルピナB7という車があった。それより高いではないか!!!)
かみさんとかオヤジには「返せなかったら2〜3回位、自殺しなさい!」っていわれながら注文をした。
(実は、注文してから報告した。殺される、と思った。)
無事にマシンも納入されセットアップも済んだ。
あとはお客さんである。
当初仕事が多かった所で、平塚にある金○木型というところがあった。
ここは、厚木の要塞から主に受注をしていた、中小サイズ板金部品のマスターモデル、検査冶具、組立て冶具を作成している会社である。
ハンドモデラーが50人位、NC加工機5台、CAD2台と言った規模であった。
比率からするとハンドモデラーが手待ちになる。(従来は手書き図面であったがCAD化された為である)加工機もお休みしている。
CAD担当者はC○のユーザーだった。
かなり手は早い人だったが(昔、Nにいたらしい)それでも追いつかないのでデータは外注になる。
客先から発注を受けると’組長の所みたいな業者’が5人程呼ばれる。
CMTが50本ほど積んである。
「納期は来週の水曜日!皆、幾つでもいいから持ってって!」金○のオヤジが言う。
組長は10本ほど取った。
皆、使っているシステムが違う。
グ○ードを使っているのは5本くらい、ア○ファCAD組みも4〜5本、プ○E、オー○CADのやつらは3本だ。
○Vの別ユーザーはさすがに8本ほど持っている。
ここで組長が言いたいのは、組長が負けず嫌いということとか、腕がいいということを自慢したい訳ではない。
納期に対する処理スピードがCADに依存されているのでは、ということを言いたいのである。
皆、同等の経験値を持ち、仕事にかけられる時間も変わらない状況で・・ということである。
(確かにこの時点では最新のハードを組長は持っていたが・・・)
後は仕様書を貰い、穴倉(自社:工場の屋根裏)に戻って作業開始だ。
帰り際、金○のオヤジにもう2本、テープを貰ってしまった。
2004年7月26日