ショーに並ぶ迄(2)
まずは、デザイナーの仕事から始まる。
コンセプト・マップを眺め、イメージを元に色々な’絵’を書いていく。
B3くらいの大きさの紙にFRクオーターVIEW、RRクオーターVIEW、インテリアなどを乗せて行き、クレパスで着色をしていく。
シャカシャカとどんどん書いていくのだ。
1枚上がるのに1〜3時間ほどである。
DKではデザイナーは3名、在籍していた。
各人、個性がある。
スイッチ類でごまかす奴もいる。
いろいろである。
およそ、30〜50枚くらいデザイン画は作成される。
2,3日は徹夜で作業され、クライアントへのプレゼンテーション第一弾になるのだ。
その間、設計チーム(DKは私を含め3名だった)は’夢のような機構’を調査し、構想をまとめて行く。
モデラー達はといえば・・・・・麻雀である。
コンペの日には、クライアントのデザイナー、設計部隊の担当者などが来る。
(クライアント・コンペも同時開催されることが多い。外人さんチームも来ることがある)
その中で、各デザイナーは自分の書いたデザイン画に対しプレゼンテーションをする。
そしてその中から、おおよそ各人に対して1つのデザイン画が選ばれるのである。
設計部隊は’構想’に対してプレゼンテーションを行い、実現性等にたいし議論される。
(デザイン同様、クライアント設計者も’構想’なるものを持ってくることもある。)
モデラーの頭の中は、この時もまだ麻雀である「今日、国士無双あがろっと!」なのだ。
コンペが終わるとデザイナーは選択されたデザイン画に対しテープ・ドローに入る。
(この時点で企画から概略のホイールベース、HP等の、基本レイアウトが提示される)
テープ・ドローとは車両の3面図を1mmほどのテープを貼り付けて書いていくものだ。
鉛筆とかマジックで書いてもいいのであるが、テープで書いたほうが修正しやすく、また、うねり等が出にくく出来る。
あと、急激な曲がりを抑えることが出来るそうだ。
設計部隊は’構想’をより具現化するために調査を開始し、部品調達を始める。
カタログをひっくり返し、モーターの調査、東急ハンズうろうろなど、頭が痛くなる。
また、車両の詳細レイアウトにも着手する。
流用車のデータを入手し、改造ポイントを判別していく。
(ホイールベースの変更などは、当たり前である。)
昔のショーは張りぼてが多かった。
実動しない物が多かったし、ひどいのはクレイ+塗装の時もあったようだ。
今は、動く車が殆どである。
また、ブースでビデオが流されるようになり、その時実走させている物も多くなった。
当然の話であるが、事前に撮影する必要がある。(CGの時もあるらしいが・・)
これは完成納期の前倒しになってしまうのだ。
この期間もモデラーは麻雀である。・・・よく続くものである。
エンコパ部品などの配置情報が随時、デザイナーにフィードバックされ、テープ・ドローの精度が上がっていく。
そして、最終デザイン決定の為のプレゼンテーションを迎えるのである。
この間、プレゼン間は1週間程度だ。
2004年8月7日