売り手市場買い手市場
独立をした場合、営業をしなければならない。
物を売るという行為をした時、当たり前の話、お客というものが存在する。
ここで、少し考えなければならない事がある。
通常の営業職(サラリーマン営業)ではあまり必要無いが、経営者を含めて総合的に見ると’知っているべきでは’と思う。
まあ、当たり前の話である。
営業する時に’売り手市場か買い手市場か’を見極める事である。
この部分は、株などの投資イメージがある。
営業職は新人だろうが誰だろうが’この部分’を十分に楽しめるのだ。
うらやましいかぎりである。
よく営業のやつらは言う。
「ノルマが・・」確かにつらいであろう、しかしながら「あんたら面白い職場なんやでー」である。
組長の経験をひとつお話しよう。
A○○Oとのはなしである。
組長はNCデータやら、図面データやらを作りながら業務を進めてきた。
とりあえず、ルーチンワークになってきている。
入って来る金額、出て行く金額、とりあえずバランスが取れている状態なのだ。
が、この’バランス’で甘んじていてはいけない。
経営者たるもの、将来を見なければならない。
バランスが崩れた時の事、を考えておかなければならないのだ。
ということで、あちらこちらに「CATIA仕事ありませんかー」とさぐりを入れてみた。
この中で、私のIBC時代の先輩である×村という人が手を上げてくれた。
村「CATIAの教育ってどう?」
組「どんな事、やるんすか?」
村「なーに、簡単だよ。お前、新人教育やってたじゃん!それと同じー」
組「どこでやるんすか?」
村「東京だよ、箱崎!!」
組長’初の都心中央部勤務かー!’ということで受けることにした。
で、実際、行ってみた。(そう、わし、の所属していた会社である)
まあ、なんとかできるだろー、と思い、参考にいくつかの講習も聞いた。
そして、金額の話になった。
×村氏から金額が提示された。
「・・。・×村さん、ふざけるなー」である。
異常な金額なのだ。
組長業務コストの1/4なのである。
説明された。
客先支払い−当方経費−当方利益・・・・合っている。
喫茶店で話していたが、文字通り’テーブルをひっくり返して’出てきた。
「やめ、やめー!!!」である。
これが、’買い手市場’というものである。
2ヶ月位してA○○Oの、お△さんという管理職から、電話がかかって来た。
お「緊急です。来週の月曜日からですが、スタッフがいません。なんとかお願いできますか??」
組「まあ、出来ないことは無いですが、お宅、金額がー・・」
お「それは大丈夫です。いくらお望みでしょうか」
組「当方の受託レートがこれくらいです。経費をプラスで・・・でどうでしょう」
お「お願いします、緊急です。待ってます」
この時は’スポット’という事で、無事講習は終えた。
講習の2週後に、また、お△さんから電話である。
お「また、お願いしたいのですが・・・」
組「え、スポットじゃあなかったんですかー?」
お「実は、お客さんから今週の講習でクレームが上がって・・」
組「値段、どーします。」
お「下がりませんかねー。本部長がうるさいんですけどー」
組「うちは、やってもやらなくてもーーー・・」
お「わかりました、同額で・・・・・」
’売り手市場’の完成である。
どの時代でも’先行思考’は必要である。
なにかの本で読んだのだが、世の中の社会人で一番大胆なのが’サラリーマン’なのだそうである。
サラリーマンは、今の目の前の作業が、明日無くなっても収入は確保されている。
(実際の話、ある程度のタイムリミットはあるが)
だから、サラリーマンは現作業に不満を言う。ぶーぶーである。
が、経営側はそうは行かない。
いつも将来を考えていなければならない’臆病者’なのだ。
組長は、今後も極力’買い手市場’を探し続けるのである。
2004年8月1日